絶対に私の言葉を分かっているように思う

久しぶりの公園に行くと、
少し見ない間にすっかり秋の色になっていた。
このところ愛犬は散歩に行っても歩かない事が多く
リードを引っ張っても足を踏ん張り
その場に座たり寝たりしてしまう。
最初は自己主張が強くワガママを言いたいだけ?
と思っていたが、
このところの調子の悪さから
もしかして歩くのが辛いのかもしれない…と思い
今日は愛犬を抱いて散歩。
愛犬は私の腕の中からピョコリと顔を出し
周囲を見渡して意外と楽しそう。
そこで誰もいない広場に出たところで
そっと愛犬を地面に下ろしてみた。
ノーリードだ。
通常ノーリードには絶対しないのだが
誰もいない事と、老犬である為にどのみち早く歩けない。
が、私の予想に反し、
愛犬はいつになく跳ねるように歩き始めた。
それも満面の笑み。
いつものあの不貞腐れた態度は何だったのだ?
それ程リードが嫌だったとか?
私はしばらく飛び跳ねる愛犬を見つめ、嬉しくなった。
「もう帰ろうか」
そう声をかけると、愛犬はまた不貞腐れた顔になった。
絶対に私の言葉を分かっているように思う。