映画「ピンクとグレー」62分後の展開が凄い
先日観た「ナラタージュ」が、雰囲気は好きだったものの何となく物足りない印象だった。
そのナラタージュの行定勲監督の作品は他にあまり観た事がなく、観たのは「世界の中心で、愛をさけぶ」ぐらい。
とはいえ、それも私は映画よりもドラマの方が好きだと感じた為、あまりこの監督の作品は自分に合わないのか…。
そんな思いもありつつ、以前から興味のあったこの映画、「ピンクとグレー」を観てみる事にした。
『ピンクとグレー』の内容
ピンクとグレー
制作国:日本
公開:2015年
原作:加藤シゲアキ
監督:行定勲
キャスト:
中島裕翔(白木蓮吾)
菅田将暉(河田大貴)
夏帆(サリー)
岸井ゆきの
柳楽優弥
<あらすじ>
知名度のほとんどない俳優・河田大貴(菅田将暉)は、少年時代から友情を深めてきた人気俳優、白木蓮吾(中島裕翔)が急死したことで一躍世間の注目の的に。白木はなぜこの世を去ったのか。自ら命を絶ったのか他殺なのか。混沌とした状況の中、河田は……。(引用元:シネマトゥディ)
原作は加藤シゲアキ
そもそも、あまり好みでなさそうな行定勲監督のこの作品を観ようと思ったのは、原作が加藤シゲアキさんだったから。
あのNEWSの加藤シゲアキの小説、「ピンクとグレー」が良いと、発売された当初評判が良かったのを思い出した。
現役アイドルが書いた小説なんてどれ程面白いのだろう?と興味があったが、その後も読む機会がなく、いつの間にか忘れていたが、映画化されたこの作品でどんなストーリーなのか観てみたくなったのだ。
一切予備知識なく観始めた。
ストーリーや他の方のレビューなども読んでいない。
そして出演されている俳優さえも知らなかった為、まず登場する俳優陣があまりに豪華な事に驚いた。
菅田将暉、中島裕翔、夏帆…えぇ?どの人も私が好きな俳優ばかり。
こんな良い俳優が出ていたなんて…と思いながら観ていたら、さらに後半では、これまた昔から好きな俳優、柳楽優弥が登場し、キャスト的には嬉し過ぎる。
開始62分後の“仕掛け”
そして肝心のストーリーは…
前半は普通の青春映画なのかと思った。
だけど幼馴染3人(菅田将暉、中島裕翔、夏帆)の演技が良くて、退屈する事なく最初から集中して観始めた。テンポも良くてこの先3人の関係がどうなるのか気になる。
が、後半、物語は大きく変わる。
最初はピンとこず、「え?どうなったの?どういう事?」と思うのだが、見続けているとこの映画全体の仕掛けを理解し、「なるほど!よく出来た映画だわー」と感心すると共に、どんどん映画に引き込まれた。
観終わった感想
とても良かった。
原作が良いのか、映画の演出が良いのか…小説を読んでいないので分からないが、後に少し調べてみると、この後半の「仕掛け」は、映画のオリジナルらしいので、私はもしかしたら小説より映画の方が良いと感じるかもしれない。
前半はカラー映像で若々しい青春映画なのだが、後半ガラリと映像がグレー一色に変わり、登場する人物達の配役が変わる。
脇役だった目線から主役の目線。
本当の自分と演じていた自分。
観ていない人には意味不明だと思うが、その対比、見事な展開に驚くとともに、取り残されないように話についていこうと必死に観たような感じ。
出演されている俳優達の演技も全員素晴らしい。
もともと好きな俳優だが、それとは関係なく、こんな難しい役を上手く演じられていて凄いと思う。
なぜか観終わった後、どっと疲れた。
頭と心を持って行かれたような。
もう一度見直したくなるような映画だと思う。
もしまだ観ていない方なら、是非予備知識なしで観る事をお勧めします。