自分をさらけ出せる存在

好きだった俳優さんが亡くなり
その後もその事が頭から離れない。
凄くファンだった…という訳では無い。
どちらかと言うと、彼自身よりも
ドラマや映画の中の彼の醸し出す雰囲気が好きだった。
という事は結局彼自身のファンだったのかもしれないけれど。
だけど所詮は遠い存在の芸能人。
なのにここまで頭から離れず、心が重くなるのはなぜだろう。
今回の事で、彼の死その事と共に
「誰にもさらけ出せない人」という事を考えさせられた。
彼の本当のところは全く分からないが
私は勝手に自分の中にある壁と彼を重ね
とても悲しい気分になった。
ここからは私の話になるが
子供の頃から親に甘えた事が無かった。
「デキル子」と言われ、ずっと親の顔色を窺いながら生きてきた。
褒められる人間である事。
そうでなくてはいけない気がしていた。
そうでなければ自分に価値が無い気がしていた。
だからこそ、理想の自分と本当の自分が違うと自覚した時、
鬱病になった。
ダメな私でも好きになってくれる人が欲しかった。
安心して本当の自分を見せられる人が欲しかった。
救いは今の夫に出会えた事。
今でこそ冷めた中年夫婦になってしまったが
私が一番どん底の時、夫がいなければ生きていられなかった。
無条件で許してくれる人。甘えさせてくれる人。
そんな存在が一人でもいればいい。
大勢の友人よりもたった一人、自分をさらけ出せる人、
そんな存在がいれば人は生きていけるのかもしれない。