映画「幸せなひとりぼっち」の感想
映画「幸せなひとりぼっち」を見た。
ここ何年かは韓国のドラマや映画を見る事が多く、しばらく洋画から遠ざかっていたが、最近は手軽に見られる洋画を選ぶ事が多い。
洋画は久しぶりなので知らない映画がたくさんあり、どれを選べばよいのかも分からない。
それで評価の高い作品の中から選んでみた。
それがこの「幸せなひとりぼっち」
スウェーデン製作。
スウェーデンの映画なんてあまり知らず、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」ぐらい。
『幸せなひとりぼっち』の内容

「幸せなひとりぼっち」
制作国:スウェーデン
公開:2015年
キャスト:
オーベ役(ロルフ・ラッスゴード)
ソーニャ役(イーダ・エングヴォル)
パルバネ役(バハール・パルス)
<あらすじ>
フレドリック・バックマンのベストセラー小説を基にした、愛妻を亡くし人生に絶望した老人が、隣人一家との交流を通して徐々に心を開いていく人間ドラマ。主人公の心の変化を追いながら、「人は一人で生きられるのか」「人生とは何か」を問い掛ける。『青空の背後』などのハンネス・ホルムが監督を務め、偏屈な主人公を『アフター・ウェディング』などのロルフ・ラッスゴードが演じる。(引用元:シネマトゥデイ)
『幸せなひとりぼっち』の感想
とても私好みの映画だった。
最初の5分ぐらいでそれが分かり、すぐに映画の世界に入り込めた。
ここ最近見た中でも私にとってはかなり上位の作品。
「幸せなひとりぼっち」という邦題もすごくいい。
話の内容や演技が素晴らしいが、その街というか、住宅街の雰囲気がとても良い。
ほのぼのとしていて、絵本の中に登場しそうな素朴な雰囲気。
妻に先立たれた偏屈なお爺さんが、ある日仕事をクビになる。
それで自殺を決意するのだが、それがなかなか簡単に死ねない。
この辺りがコミカルで、重い話のようで全体的にとても明るく、終始温かいものを感じる。
最初は主役の偏屈爺さんが徐々に近所に人達と触れ合っていく様子を描いただけの映画なのかと思っていたが、この映画はそれだけでなく、お爺さんの子供時代から結婚生活まで、過去のストーリーと交差しながら進んでいく。
この過去のストーリーもとても良くて、どんな風に生きてきた人が、今ひとりぼっちになったのか?というのが痛く伝わってくる。
老後に一人取り残される事。
それはまさにいつも自分が怯え、ずっと不安に思っている事だ。
この映画の老人も、社交性がなく感情表現が下手な偏屈者。
近所の人達とも関わりたくないと壁を作っている。
まるで老後の自分を見ているようで、そんな老人が徐々に変化していく様子や、周囲の人達の「適度なお節介」が羨ましく感じた。
見ていると「こんな住宅街に住みたい」と思わされる。
着かず離れずのご近所さん。
ちょっとした事を助け合うご近所さん。
普段自分が煩わしいと思っているそんな関係が、この映画ではとても素敵に見えた。