映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」感想|ケイシー・アフレックの名演技
映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見た。
ベン・アフレックの弟、ケイシー・アフレックが主役。
アカデミー賞主演男優賞を受賞したというのも納得の演技。
ベン・アフレックの方には魅力を感じた事が無いが、この映画のケイシー・アフレックは本当に素晴らしかった。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の内容

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
制作国:アメリカ合衆国
公開:2017年
キャスト:
リー役(ケイシー・アフレック)
ランディ役(ミシェル・ウィリアムズ)
ジョー役(カイル・チャンドラー)
パトリック役(ルーカス・ヘッジズ)
<あらすじ>
ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。(引用元:シネマトゥデイ)
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の感想
これもかなり良かった映画。
話の内容は全く違うのだが、無愛想で孤独な男が現実と向き合っていく姿が前回見た「幸せなひとりぼっち」と重なる。
とにかく主要な登場人物の演技が皆素晴らしい。
特に主演のケイシー・アフレックは無口で表情や態度で演技するシーンも多く、それなのに痛い程その心理が伝わってくる。
さらに登場シーンはそれ程多くないものの、元妻役のミシェル・ウイリアムズもいい。
後半で元妻がリーと過去について話すシーンは見ているこちらも感情を動かされるものがあった。
その後、リーの感情が溢れ出すシーンでは私も気付けば涙が流れていた。
終始静かで淡々とストーリーが進む。
驚くような展開もなく、派手な演出もない。
なのできっと見る人によっては全く面白くなく、ただの暗い映画に感じるかもしれない。
でも繊細な人や、心に傷を負った人などはズキズキ心にハマるはず。
沈黙の間だったり、何を考えているのか説明が無いシーンも多いのだが、それが見事に私の心に響き、時間を忘れてこの映画に見入ってしまった。
下手に綺麗にまとめようとせず、心に傷を抱えながらも生きるしかないというリアルさも良く、ラストは一瞬スッキリしないように感じるが、見終わった後にはこの映画らしくて温かさを感じる良い終わり方だったように思う。
実はこの映画、今回で見たのは二度目…だったよう。
すっかり忘れていて、途中で「あれ?見た事がある」と気付いた。
しかし前回はサラッと流し見してしまいそれ程心に残らなかったが、今回はかなり心に響いたので、やはり映画は見るタイミングやその時の心情によるのだと実感した。