映画「プリズナーズ」の感想 子供を誘拐された父親の狂気
映画「プリズナーズ」を見た。
2013年の映画。
ある日6歳と7歳の少女が誘拐される。
信仰心の強い父親と、冷静に事件を追う刑事がそれぞれのやり方で犯人を追うサスペンス。
『プリズナーズ』の内容

「プリズナーズ」
制作国:アメリカ
公開:2013年
キャスト:
ヒュー・ジャックマン
ジェイク・ギレンホール
ポール・ダノ
<あらすじ>
家族と過ごす感謝祭の日、平穏な田舎町で幼い少女が失踪(しっそう)する。手掛かりは微々たるもので、警察(ジェイク・ギレンホール)らの捜査は難航。父親(ヒュー・ジャックマン)は、証拠不十分で釈放された容疑者(ポール・ダノ)の証言に犯人であると確信し、自らがわが子を救出するためにある策を考えつくが……。(引用元:シネマトゥデイ)
『プリズナーズ』の感想
かなり面白かった。
古い作品だが、私はヒューマン系を見る事が多いのでこういう映画を見逃していた。
自分の子供の命のカウントダウン。
時間が過ぎる程に生存率が下がる。
そんな親の精神状態が極限になった時、どんな行動に出るのか?
ハラハラドキドキ感、その緊迫した雰囲気は前回見た「ホテル・ムンバイ」に負けずとも劣らずだが、映画としては私はこの「プリズナーズ」の方がさらに良かったように思う。
子供を誘拐されて探そうと暴走する父親ケラー役をヒュー・ジャックマンが演じる。
そして冷静に事件を追う刑事ロキ役をジェイク・ギレンホール。
私は二人とも好きな俳優さんだが、この二人がとにかく熱い。演技が濃い!
特に子供を探す為に異常な行動に出始める父親ケラーは狂気じみていて、エスカレートしていく暴力は胸をえぐられるような気分になる。どんどん酷い状況になっていくので、視聴者は顔を歪めながらも目が離せない。
そこまでしてはいけない…
一線を越えている…
そう思いつつ、父親の切羽詰まった感情がヒシヒシ伝わってきて、どこかで許してしまいそうな自分もいる。
そういう複雑な心境を表現しているのが、もう一人の父親フランクリンの存在。
ケラーの娘と一緒に、フランクリンの娘も誘拐された。
娘を取り戻したい気持ちは同じ。
だが異常な行動をとってしまうケリーに対し、理性を保とうとするフランクリンの存在が、より複雑な感情を共感させる。
そして忘れていけないのが、容疑者の一人、アレックス。
アレックスは10歳程度の知能しかない。
そんなアレックスを演じるのがポール・ダノだが、この演技もまたハマっているし、あとケリーの妻やフランクリンの妻など、娘を誘拐された母親二人の演技も素晴らしかった。キャスト全員がいい。
ちなみにケリーの息子役として「13の理由」のディラン・ミネットも出演している。
次々と展開していき、先が読めずに時間を忘れる映画。
2時間半もあるとはとても思えず、終始吸い込まれるように見入ってしまった。
ラストの終わり方も完璧で、神が導いた結果に胸が熱くなる。
今まで見たサスペンス映画の中で、私にとってはかなり上位の映画でした。
このところ、ジェイク・ギレンホールの映画ばかり続けて見ている。