犬違い、人違い

犬の散歩をしていると
大抵は犬の顔でその飼い主を覚えている。
なので時々
飼い主一人で歩いていても
その人だと気付かない事が多い。
犬を見て飼い主を判断しているというか。
しかし今日はその逆があった。
愛犬の散歩に行くと
見覚えのある飼い主が散歩していた。
しかし犬を見ると
いつもの犬ではない。
見た事のない犬。
あれ?もしかして新しい子を迎えたの?
そう思ったが、連れている犬はそこそこ老犬。
新しい子というより誰かの犬を預かっているのか。
時々会話をする人なので
私は声をかけようとして笑顔で近付いた。
そして…間近まで来て気付いた。
別人だ!
私が思っていたいつもの飼い主では無かった。見知らぬ人。
違う犬を連れているのも当然だ。
私は恥ずかしさでいっぱいになり
何事も無かったように通り過ぎた。
しかし相手は明らかに私を不審な目で見ていた。
それにしても本当にソックリな人だった。
それとも私の老眼のせいか。