オバサンと飴。レジで声が出せずに焦った話

若い頃には
どうして中年のオバサンのバッグには飴が入っているのかと
友人と笑った事もあったが
今はそのオバサンの気持ちがよく分かる。
先日買い物に行った時、また突然咳が出始めた。
深夜の咳には悩まされているが、日中に出るのは珍しい。
それも店内だったので私は焦った。
いくら以前と比べてコロナへの不安感が薄れたとはいえ
やはり外で咳をするのは人目が気になる。
昔と違って、「咳=コロナ」というのが定着してしまっていて。
それで慌ててバッグの中を探したが
うっかり飴を持ってくるのを忘れてしまった。
何とか咳が出るのを我慢しようとしたが
喉がいがらっぽく、まるで何か粉が引っ掛かっているような違和感。
私は急いでレジに向かい会計を済ませようとしたのだが
最悪な事に店員に、「レジ袋は必要ですか?」と聞かれた。
しまった…声が出せない…
何とか絞り出して「い…いら…ない…です」と言った途端
ゴホゴボッと激しく咳き込み、それを必死に我慢しようとした為
鼻水やら涙まで出てきた。
しかしさらに店員に、「ポイントを使用しますか?」と聞かれた。
もう無理。一声も出せない。
私はまるで子供のようにブルンブルンと首を横に振った。
恥ずかしい…。
絶対に飴は必須。
外出時には忘れてはいけない。